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EPISODE 25:事業の発展

会社設立以来の共同経営者であるアーチー(マリーと夫であるアレキサンダーの親友でもある)のたぐいまれな才能によって、マリーたちの会社はいつしか、国際的なデザイン企業へと成長していきました。これにつれて、望むと望まざるとにかかわらず、マリーは世界中から「時代の先端を行くデザイナー」として注目される存在になろうとしていました。

「もっと自由に、もっと楽しく暮らしたいという欲望の足かせになるような『タブー』に挑戦することって、ワクワクするくらい楽しい」と言うマリー。

ファッションはルールではなくて感覚。楽しい娯楽だと思って、好きなモノを着ればいい・・・マリーは、心からそう思っていました。でも同時に、「デザイナーは環境の変化に敏感でなければならない。」とも・・・。

彼女がいつも「未来」を先取りしてこられたのは、自分自身の感性を追いかけていたから。マリーには次の時代の風を感じ取る不思議な力と、それを表現する才能と新しい試みにチャレンジする勇気がありました。

飽きが来たら、新しいものに挑戦する・・・その好奇心が彼女のすべてでした。そして、彼女は売れる売れないの価値よりも、それを大切にしてきたのです。

そんなマリーをロンドンっ子たちは熱狂的に支持しました。キングスロードにオープンした最初のブティック「バザー」も、ナイツブリッジの「第二のバザー」も、いつも通りまで行列ができるほどの人気ぶりでした。

「あのミニスカートの・・・」と表現されるマリー。でも、彼女が世界を市場にヒットさせたのはそれだけではありません。日本でも1971年頃にブームになった「ホットパンツ」の考案者もマリーなら、ロングブーツ・チェーンベルト・ショルダーバッグといったグッズやカラーフラノ・カラークレープ・ポリビニールといった素材、カラーストッキングやリブセーターなど数え上げたらキリがないほどです。

そんなマリーにとてつもない大きな「ご褒美」の知らせが届いたのは、1966年・・・

マリーが29歳のことでした。

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