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EPISODE 43:拡がるマリーの世界

マリーのコスメは、日本でも大人気でした。

そもそもマリーは、ファッションからスタートして、「顔」にも・・・と、コスメの開発を手がけたのですが、日本では、コスメの方が先に人気ブランドになっていました。3度目のマリーの日本訪問も、モデルチェンジした「リップ&ネイル」の紹介がそもそもの目的でした。

でも、彼女がそこで目にしたのは、若手デザイナーたちがクリエイトした斬新なファッションと、それを自在に楽しんでいる女性たちの姿でした。

「例えばあの服に、私のタイツを組み合わせたら、もっと、ファッションが楽しくなるはず・・・。」マリーは、彼女の事業のはじまりでもあった「バザー」のような楽しい雑貨感覚のショップを創りたいと、真剣に考えはじめていました。

実現までに時間はかかりませんでした。コスメの売場にマリーがデザインした作品がお目見えしたのは、その翌年のことでした。

最初に登場したのは、タイツ、レオタード、レッグウォーマー、ソックスといったアイテム・・・特別に、日本だけのためにデザインされたオリジナルコレクションでした。マリーは、色・柄・素材を選び抜いてデザインしました。この4つのアイテムは、マリーがミニの次に手がけ、ず~っとデザインし続けてきたモノ。彼女にとっては得意中の得意の分野です。中でも、一番の注目商品はレオタードでした。今までのありきたりのレオタードに飽きた人たちが、彼女のレオタードに飛びつきました。

翌年4月には、スウェットシャツやTシャツ、シャツがお目見え。どれもベーシックでシンプルなスタイルなのに、プリントや色、カットなどにマリーの個性が光っていました。同じ年に発売された水着など、そのユニークなデザインや素材からくる発色の良さが人気を呼んで、生産が間に合わないほどでした。

これからはパーツやアクセサリーの時代。

マリーはそう予測していました。パーツが蓄積されれば、ひとつのスタイルになる・・・だから、「これから私が提案するのはパーツ。あとは皆さんが自由に組み合わせを楽しんでくれれば満足。」と・・・。

マリーの先を読む目は確かでした。

それは時代が証明してくれました。

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