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EPISODE 33:日本デビュー

マリーのコスメが日本でも発売されることになりました。

報道関係者やデザイナーなどを集めての発表会を3月10日、東京の南青山のレストラン「ノルマンディ」で開くという知らせが日本からマリーに届きました。マリーは早速、企画を担当しているスーと相談して、ムーンとパットを彼女と共に日本に派遣することにしました。(ムーンはマリーお気に入りのイギリスのトップモデル。パットは優秀なアーティストです。)

マリーが同行しなかったのは、デザイナーであるマリーの存在より、コスメにスポットライトがあたるようにという配慮からです。

発表会には300名を越す人々がつめかけました。ステージに現れた3人は、揃って「ホットパンツ姿」。そう・・・ホットパンツもマリーがデザインしたスタイルでした。(日本でもちょうど、ホットパンツが流行しはじめた頃でした。)真っ赤なアイカラーや黒・紫のリップカラーといった、その頃の日本人の感覚では作り出せないような色を使ったメイクや、マリーがプロモートした「デイジー・アイ」(まぶたに緑や黄色などの鮮やかな色で小さな花を描くメイク方法)が小気味いいテンポで紹介されていきます。この意表をついた色やメイクに「奇抜さだけ。特定の人にしか受け入れられないだろう。」と酷評したジャーナリストもいたほどです。

でも、結果はすぐにあきらかになりました。

感性豊かな女性たちが、オープンを知るやいなやショップに殺到したのです。

彼女のコスメは、「化粧品は化粧品売場・・・」という日本のそれまでの常識を頭から無視するかのように、ブティックやファッションの売場に並べられました。

デイジーのマークに白・黒・銀で統一されたパッケージデザインもとてもキュート。ファッショナブルな化粧品というより、ファッションそのものといった感がありました。なにより商品がユニークでした。例えば、長さが25cmもあって、好きなだけ端から切って使える「つけまつげ」や練り香水入りの指輪等々。でも、一番の人気はクレヨン風のカラーコスメでした。

スーからこの日本での反響を聞いたマリーは、どうしても日本に行きたくなりました。

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